企業動画の種類と目的別の使い分け方|PV・採用動画・SNS動画の違い
「動画を作りたいけど、何を作ればいいのか分からない」という相談は、発注前の段階でもっとも多く届く声のひとつです。
結論から言うと、企業動画は「誰に・何を・どこで伝えるか」によって作るべき種類がまったく異なります。目的が曖昧なまま制作を始めると、完成後に「なんとなく良い動画ができたけど、どこにも使いにくい」という状態になりやすい。これは現場でも実際によく起きます。
この記事では、企業動画の主な種類と、それぞれの目的・使いどころ・費用感の目安を整理します。「自社にはどの動画が必要か」を判断するための材料として読んでください。
企業動画の主な種類と、それぞれの役割
まず全体像を整理します。企業動画と一口に言っても、大きく以下の種類に分かれます。
- 企業PV(プロモーションビデオ):会社のブランドや世界観を伝える
- 採用動画:求職者に職場・仕事内容・社風を伝える
- 商品・サービス紹介動画:製品の特徴や使い方を視覚的に説明する
- SNS用ショート動画:短い尺で認知拡大・エンゲージメントを狙う
- 展示会・商談用動画:対面の場で補助的に使う説明ツール
- インタビュー・testimonial動画:社員や顧客の声を信頼性の担保に使う
これらはすべて「動画」ですが、構成の考え方も、撮影に必要なものも、適切な尺も、使う場所もまったく違います。ひとつずつ見ていきます。
企業PVは「ブランドの名刺」。ただし使い方を間違えると機能しない
企業PVは、会社の理念・強み・雰囲気を凝縮して伝えることを目的としています。コーポレートサイトのトップページや、展示会のブース、商談の冒頭など「まず自社を知ってもらう」場面で使われます。
よくある失敗は、「とりあえずPVを作れば集客につながる」と期待してしまうことです。PVはブランド認知の補強には強いですが、それ単体でコンバージョンを生む性質の動画ではありません。「誰に見せるのか」「見た後に何をしてほしいのか」を明確にしておかないと、映像として完成度が高くても効果測定ができません。
企業PVに向いているシーン
- コーポレートサイトのファーストビューに設置する
- 展示会・商談・採用説明会の冒頭で流す
- 投資家・パートナー向けの会社説明に使う
費用・期間の目安
一般的な目安として、企業PVは30万〜150万円前後の範囲で制作されることが多いです。撮影日数・出演者の有無・アニメーション・ナレーション・音楽の権利費用などによって大きく変動します。期間は企画から納品まで1〜2ヶ月程度が目安ですが、スケジュールや修正回数によって前後します。PIXEL OUTの映像制作の料金プランでは、規模別の費用感を公開しています。
採用動画は「ミスマッチを減らす」ための動画。完成度より誠実さが重要
採用動画の目的は、求職者に「自分がここで働くイメージを持ってもらう」ことです。華やかに見せることが目的ではなく、実態に近い職場の様子・働く人の声・仕事のリアルを伝えることで、入社後のギャップを減らすことが本来のゴールです。
実際に採用動画を制作していると、「かっこよく撮ってほしい」という要望をいただくことがあります。もちろん見映えは大切ですが、過度に演出された映像は「実際と違う」と感じた求職者の離脱・早期退職につながるリスクがあります。伝えたいことと実態のギャップを小さくすることが、採用動画の品質基準として大切です。
採用動画で盛り込むべき要素
- 実際に働く社員のインタビュー(できれば複数の職種・年次)
- 職場環境・業務の様子(日常の一コマ)
- 会社として大切にしている価値観・カルチャー
- 入社後のキャリアパスや成長のイメージ
費用・期間の目安
採用動画は20万〜80万円前後が一般的な目安です。インタビュー中心の構成にすると比較的コストを抑えやすく、複数拠点での撮影や本格的な映像演出が加わると費用が上がります。期間は3〜6週間程度が目安です。
SNS用ショート動画は「目的・プラットフォーム・尺」をセットで決める
InstagramリールやTikTok、YouTubeショートに代表されるショート動画は、企業PVや採用動画とは設計の発想がまったく異なります。尺は15〜60秒が中心で、最初の2〜3秒でスクロールを止められなければ見てもらえません。
ここで重要なのは、「SNS動画は完成度より継続性」という点です。1本の高品質な動画より、週1〜2本のペースで続けられる量産体制のほうが効果につながりやすい。そのため、制作コストと更新頻度のバランスを最初に考える必要があります。
プラットフォーム別の向き・不向き(目安)
- Instagram リール:ビジュアルの訴求力が高い商品・ライフスタイル系に向く
- YouTube ショート:既存のYouTubeチャンネルへの誘導・SEO効果を期待する場合に向く
- TikTok:若年層へのリーチ・バズを狙う場合に向く。業種との相性の見極めが必要
- LinkedIn:BtoB向けの情報発信・採用目的に向く
費用・期間の目安
ショート動画は1本あたり3万〜15万円前後が一般的な目安ですが、月額契約での量産プランを組む会社も多いです。期間は1〜2週間程度が目安です。
展示会・商談用動画は「その場で何を補助するか」を決めてから発注する
展示会や商談の場で流す動画は、「担当者が説明しきれない情報を映像で補う」役割です。製品の内部構造・製造工程・導入事例のイメージなど、言葉や資料だけでは伝わりにくいものを視覚化するのに向いています。
この種の動画は、説明的な内容になるため、映像としての「かっこよさ」より「分かりやすさ」が優先されます。テキストや図解との組み合わせ、ナレーションの有無なども含めて設計するのが現実的です。
「どの動画を作るか」を決める前に確認すべきチェックリスト
発注を検討している方に、事前に整理しておいてほしい確認項目をまとめます。これが曖昧なまま制作会社に相談すると、「とりあえずPVで」という流れになりやすく、完成後に使いどころがずれることがあります。
- 誰に見せるのか(ターゲットは採用候補者か、顧客か、投資家か)
- どこで使うのか(自社サイト・SNS・展示会・営業資料など)
- 見た人に何をしてほしいのか(問い合わせ・応募・購買・認知)
- 動画を更新・追加するつもりはあるか(1本で終わりか、継続運用か)
- 社内に撮影協力してもらえる社員・環境があるか
- 既存の写真・映像素材はあるか
- 動画を掲載するWebサイトの状態は整っているか
映像とWebを両方見ているからこそ気づくこと
映像制作とWeb制作を別々の会社に依頼していると、起きやすい問題があります。「動画は完成したが、埋め込むページがない」「サイトのデザインと映像のトーンが合っていない」「動画を置いたがページの構成が動線になっていないため、離脱が増えた」といったケースです。
動画は、それ単体ではなく「どのページのどの位置に置くか」「見た後に何を促すか」という文脈の中で機能します。映像の目的と、それを置くWebページの設計は、本来セットで考えるべきものです。
PIXEL OUTでは映像制作とWeb制作の両方を扱っているため、「動画の目的に合ったページ設計」「ページ内での動画の役割」を一緒に設計できます。Webサイト制作サービスの詳細もあわせて参考にしてください。
まとめ:動画の種類より「何のために作るか」を先に決める
企業動画の種類と目的をまとめると、以下のようになります。
- 企業PV:ブランド認知・会社の世界観を伝えたいとき
- 採用動画:求職者に職場のリアルを伝え、ミスマッチを減らしたいとき
- 商品・サービス紹介動画:製品の特徴・使い方を視覚的に説明したいとき
- SNSショート動画:継続的な認知拡大・エンゲージメントを狙うとき
- 展示会・商談用動画:対面の場での説明を補助したいとき
「とりあえず動画を作る」より、「何のために・誰に・どこで使うか」を決めてから制作会社に相談するほうが、費用対効果の高い動画になります。まずは上記のチェックリストを参考に、自社の目的を言語化してみてください。
PIXEL OUTでは、目的の整理から一緒に行うことができます。「何を作るべきか分からない」という段階からでもお気軽にご相談ください。
よくある質問
企業PVと採用動画は別々に作る必要がありますか?
目的が異なるため、原則としては別に作ることをおすすめしています。ただし、撮影を同日にまとめることでコストを抑えることは可能です。「会社の雰囲気を伝える映像」として共通素材を撮影し、編集で切り分けるアプローチを取るケースもあります。予算と用途を整理したうえで、制作会社に相談してみてください。
1本の動画をSNSと自社サイトの両方で使い回すことはできますか?
使い回し自体は可能ですが、SNSと自社サイトでは最適な尺・縦横比・情報の密度が異なります。たとえばサイト用の2分のPVをそのままSNSに投稿しても、最初の数秒で離脱される可能性が高い。最初から「複数の場所で使う前提」で企画・撮影しておき、用途別に編集バリエーションを作るのが現実的な方法です。
動画を作ったあと、自社で更新・追加することはできますか?
動画そのものの編集・更新は専用ソフトと技術が必要なため、基本的には制作会社に依頼するケースが多いです。ただし、SNSショート動画については、テンプレート化した形式を社内で撮影・投稿できる体制を整えている企業もあります。運用方法も含めて最初に設計しておくと、後々の運用コストを抑えやすくなります。