動画とホームページを同時に依頼するメリットと進め方|一社完結か分業かの判断基準
「動画とホームページ、同時に頼んでも大丈夫ですか?」という相談は、制作現場でもよく受けます。
結論から言えば、同時進行は可能ですし、条件が揃えば一社にまとめた方が仕上がりの質が上がりやすいです。ただし、「とにかく一社にまとめればよい」というわけでもありません。
この記事では、映像とWebの両方を手がける制作会社の立場から、同時依頼の実際の進め方、一社完結と分業どちらが向いているかの判断基準、費用・期間の目安、そして発注前に準備しておくべきことを順に整理します。
動画とホームページを同時に進めると何が変わるか
別々に発注した場合、よく起きる問題があります。
まず、トンマナ(トーン&マナー)のズレです。サイトのデザインは落ち着いたダークトーンなのに、動画は明るくポップな仕上がりになってしまう、といったケースです。それぞれの制作会社が独立して動くと、見た目の統一感を保つための調整コストが発生します。
次に、スケジュールの連鎖遅延です。「サイト公開に合わせてトップページに動画を埋め込みたい」という要件は珍しくありませんが、映像と Web を別々の会社に依頼していると、どちらかが遅れたとき、もう一方にも影響が出ます。調整の窓口が2社になるため、発注側の担当者の負担が増えがちです。
同時進行・一社完結にすると、ヒアリングが一回で済み、世界観を共有したまま両方を作れる点が最大のメリットです。サイトのビジュアルイメージを決める段階で動画の方向性も合わせて固められるため、完成物としての一体感が出やすくなります。
一社完結が向いているケース・分業が向いているケース
一社完結が向いているケース
- サイトリニューアルと企業PV制作を同じタイミングで検討している
- ブランドイメージを一から整理したい(ロゴ・カラー・メッセージを統一したい)
- 発注窓口を一本化して、社内の調整コストを減らしたい
- 公開スケジュールが決まっていて、連携ミスのリスクを下げたい
分業が向いているケース
- サイトはすでに完成しており、動画だけを追加したい
- 特定の映像ジャンル(例:ドローン撮影・アニメーション)に特化した会社に依頼したい
- 既存のWeb制作会社との関係性を継続したい事情がある
- 動画とサイトの公開時期が半年以上ずれている
どちらが正解かは、プロジェクトの状況と社内の調整リソースによって変わります。「一社にまとめる=コストが安くなる」とは限らないため、費用と工数の両面で比較することをおすすめします。
費用・期間の目安(一般的な目安として)
以下はあくまで規模や要件によって大きく変動する目安です。実際の見積もりは要件定義後に確認してください。
| 制作物 | 費用感(目安) | 制作期間(目安) |
|---|---|---|
| コーポレートサイト(5〜10ページ) | 50万〜150万円前後 | 2〜4ヶ月 |
| 企業PV(2〜3分) | 50万〜200万円前後 | 1.5〜3ヶ月 |
| SNS用ショート動画(1〜2本) | 10万〜40万円前後 | 3〜6週間 |
同時進行にした場合、費用が単純に合算されるわけではありません。ヒアリングや撮影の一部を共有できるため、個別に発注するより10〜20%程度コストを抑えられるケースもある一方、スコープが広がって予算が増えるケースもあります。一概には言えないため、最初の打ち合わせで「同時依頼の場合の見積もり」と「個別発注の場合の見積もり」を両方出してもらうのが確実です。
詳しくはPIXEL OUTの制作料金プランもご参照ください。
同時進行の実際のスケジュール感
一社で映像とWebを同時進行する場合、おおむね以下の流れになります。
- 第1〜2週:ヒアリング・方向性の確定 事業内容・ターゲット・メッセージ・公開スケジュールを一回のミーティングで整理する
- 第3〜4週:設計フェーズ サイトのワイヤーフレームと動画の構成台本を並行して作成し、方向性のズレをこの段階で潰す
- 第5〜8週:制作フェーズ 撮影・編集・サイトデザイン・コーディングを並行進行。動画素材をサイトのビジュアル素材と共有できる場合はここで効率化が効く
- 第9〜10週:確認・修正・テスト 動画とサイトを同じ画面で確認することで、トンマナのズレを最終チェックできる
- 第11週〜:公開 同一タイミングでの公開が可能になる
上記はあくまで目安です。コンテンツの量や社内確認フローによって期間は前後します。
映像とWebを一社で見ているからこそ分かること
ここは制作現場の話として正直に書きます。
動画をサイトに埋め込む際、動画のファイルサイズやフォーマットがサイトの表示速度に直接影響します。映像担当者がWebの表示パフォーマンスを意識せずに納品すると、サイト側でリサイズや再エンコードが必要になり、手戻りが発生します。
一社で両方を担当している場合、映像の書き出し設定をサイト側の要件に合わせて最初から調整できます。「どのページのどの位置に埋め込むか」「自動再生か手動再生か」「モバイルでの表示はどうするか」といった判断を、映像と Web の担当者が同じチームとして議論できるためです。
別々に発注した場合、この種の調整は発注側の担当者が中継役になりがちです。仕様の共有漏れが起きやすく、「動画が重くてサイトが遅い」「スマホで縦横比がおかしい」といった問題が公開直前に発覚するケースも少なくありません。
発注前に準備しておくべきもの
一社にまとめる場合でも分業の場合でも、以下を整理しておくと初回ミーティングがスムーズです。
- 公開希望日(または公開できないタイミング) 展示会・決算・採用シーズンなど、逆算のキーとなる日程
- 社内の確認フローと決裁者 修正回数や承認ルートが不明なままだと、スケジュールの見積もりが立てられない
- 会社・製品・サービスの基本情報 会社案内・製品カタログ・既存サイトのURL・過去に使った動画素材など
- 参考にしたいサイト・動画のURL 「好き/嫌い」の方向性を言語化するより、見せた方が早い
- 予算の上限感 「いくらかかるか分からないから言えない」という場合でも、「このくらいなら出せる/これ以上は難しい」という感覚を共有するだけで、提案の精度が上がる
- 動画とサイトの優先順位 どちらかを先行公開する可能性があるか、あるいは必ず同時公開したいか
この6点が最初から揃っていると、制作側は的外れな提案を省いて本質的な議論に時間を使えます。
まとめ:次に取るべき一歩
動画とホームページを同時に依頼するかどうかは、「一社にまとめるメリットが、自社の状況と優先順位に合っているか」で判断してください。
判断の目安をまとめます。
- ブランドの統一感を優先したい → 一社完結を検討する
- 既存の制作会社との関係や特定の専門性が必要 → 分業を選ぶ
- 公開タイミングを揃えたい → 一社完結の方が連携しやすい
- 予算や発注窓口を最小化したい → 同時依頼で見積もりを取り、個別との差額を比較する
どちらの形でも、まず「要件を言語化してから相談する」という順番が大切です。漠然と「動画とサイトをお願いしたい」という状態より、上記の準備リストを手元に置いた上で打ち合わせに臨む方が、制作側も具体的な提案を出しやすくなります。
PIXEL OUTでは映像制作とWeb制作の両方を一社で対応しています。「どちらを先に進めるべきか」「同時進行できる余地があるか」など、要件が固まっていない段階からご相談いただけます。サービス内容の詳細はこちらからご確認ください。
よくある質問
動画とホームページを同時に依頼すると、それぞれ別々に依頼するより安くなりますか?
一概には言えませんが、ヒアリングや素材撮影の一部を共有できる場合、個別に発注するより費用を抑えられるケースがあります。一方で、まとめることでスコープが広がり、結果的に予算が増えるケースもあります。正確な比較は「同時依頼の場合」と「個別依頼の場合」の両方で見積もりを取るのが確実です。
動画の撮影がまだ決まっていない段階でも、ホームページ制作を先に始められますか?
はい、可能です。サイトの構成やデザインは動画素材がなくても進められます。ただし、トップページに動画を埋め込む設計にする場合は、動画の尺・縦横比・自動再生の有無などを先に決めておくと、後からの修正が少なくなります。サイト設計の段階で「動画はどこにどう使うか」を一緒に整理しておくことをおすすめします。
制作会社への最初の問い合わせで何を伝えればいいですか?
「何を作りたいか(サイト・動画・両方)」「公開希望時期」「予算の上限感」の3点を最初に伝えるだけで、制作会社側は提案の精度を上げられます。詳細な要件や参考URLは初回ミーティングで共有すれば十分です。情報が揃っていなくても相談は受け付けていますので、まずは現状をそのまま伝えてみてください。