映像制作の費用相場を目的・規模別に解説|稟議に使える予算の目安
「動画を作りたいが、いくらかかるのか社内で説明できない」——発注前の担当者から最もよく聞く悩みです。
結論から言うと、映像制作の費用は目的・尺・撮影の有無・修正回数の組み合わせで決まります。一般的な目安として、SNS用のショート動画は10〜30万円台、企業PVは50〜200万円台、本格的なブランドフィルムになると300万円以上になることもあります。
この記事では、動画の種類ごとに費用の目安と変動要因を整理します。読み終えた時点で「自社に必要な動画はどの価格帯か」「稟議書にどう書くか」が自分で判断できる状態を目指して書いています。
映像制作の費用はどのように決まるか
見積もりの金額は、大きく以下の要素の掛け合わせで決まります。制作会社によって呼び方は異なりますが、構造はほぼ共通しています。
- 企画・構成費:何を伝えるか、どう見せるかの設計。ヒアリングからシナリオ作成まで含む
- 撮影費:カメラマン・照明・音声スタッフの人件費+機材費。ロケ地が増えると比例して上がる
- 出演費:社員が出演するなら無償だが、プロモデルや声優を起用すると別途かかる
- 編集・MA費:映像の切り貼り、テロップ、BGM、効果音の処理。尺が長いほど工数が増える
- アニメーション・CG費:動く図解やロゴアニメを入れる場合は別枠で計上されることが多い
- 修正対応費:修正回数の上限が設けられていることが多く、上限を超えると追加費用になる
この構造を知っておくと、見積もりを比較するときに「どの工程が含まれていて、何が含まれていないか」を読み解けます。金額だけ見て安い高いを判断すると、後から追加費用が発生しやすくなります。
動画の種類ごとの費用目安
以下はあくまで一般的な目安です。要件や制作会社の規模によって変動します。社内での予算取りの参考として使ってください。
SNS用ショート動画(30秒〜1分程度)
InstagramやYouTube Shortsなどで使う縦型・横型の短尺動画です。撮影1日以内・編集がシンプルなケースでは、10〜30万円台が一般的な目安になります。
ただし「毎月複数本を定期的に制作したい」という場合は、月額契約や本数パックで単価が下がることがあります。単発より継続の方がコストパフォーマンスが改善しやすい構造です。
商品・サービス紹介動画(1〜3分程度)
ECサイトやLPに埋め込む商品紹介、サービス説明動画です。撮影日数・出演者の有無・アニメーションの量によって幅が出ます。一般的な目安は20〜80万円台です。
商品の点数が多い場合や、複数バリエーションが必要な場合は、1本あたりの単価を抑えるためにまとめて発注する方が合理的です。
企業PV・会社紹介動画(2〜5分程度)
コーポレートサイトのトップや展示会・商談で使う動画です。撮影場所が複数、インタビューあり、ナレーションあり、という構成が多く、費用は50〜200万円台が目安になります。
ドローン撮影や高品質なCGを入れると、さらに上積みされます。撮影日数が増えると人件費・機材費がそのまま加算されるため、「撮影は1日で何をどこまで撮れるか」が費用を大きく左右します。
採用動画(2〜4分程度)
社員インタビューや職場紹介が中心の構成です。出演者が社内社員のみであれば出演費はかかりませんが、ヘアメイクやスタイリストを入れると別途費用が発生します。費用の目安は30〜150万円台です。
採用動画については別の記事で詳しく解説しているため、ここでは割愛します。
費用目安の早見表
| 動画の種類 | 一般的な目安 | 費用を左右する主な要因 |
|---|---|---|
| SNS用ショート動画 | 10〜30万円台 | 本数・編集の複雑さ |
| 商品・サービス紹介動画 | 20〜80万円台 | アニメーションの有無・出演者 |
| 企業PV・会社紹介動画 | 50〜200万円台 | 撮影日数・ロケ地数・CG |
| 採用動画 | 30〜150万円台 | インタビュー人数・仕上げのクオリティ |
見積もりで金額が大きく変わる3つのポイント
同じ「企業PV1本」でも、制作会社によって見積もりが2〜3倍違うことは珍しくありません。現場から見ると、以下の3点が特に費用のブレ幅を生みます。
1. 撮影日数と撮影場所の数
カメラマンや照明スタッフは基本的に「1日いくら」という単価で動きます。撮影場所が3カ所あれば、移動・セッティングの時間も含めて撮影日が増えます。事前に「どこで・何を・何シーン撮るか」を整理しておくだけで、無駄なコストを防げます。
2. 修正回数の上限設定
多くの制作会社は「修正2回まで」のように上限を設けています。上限を超えると1回あたり数万円単位で追加費用が発生することがあります。発注前に「修正は何回まで含まれるか」「上限を超えたときの単価はいくらか」を確認しておくのが鉄則です。
3. 著作権・二次利用の範囲
完成した動画の著作権が制作会社側に残る契約になっている場合、別の媒体で使うときに追加費用が発生することがあります。「SNS・自社サイト・展示会で使いたい」など、使用する媒体を事前に伝えて見積もりに含めてもらうことが重要です。
稟議を通すために準備すべきこと
社内で予算を取るとき、「動画を作りたい」だけでは承認が下りにくいのが実情です。現場の経験上、以下の情報を整理してから見積もりを取ると、稟議書の説得力が上がります。
- 目的:何のために作るのか(採用強化、商談での説明補助、ECのコンバージョン改善など)
- 使用媒体:どこで使うのか(自社サイト・YouTube・展示会・社内研修など)
- 完成の期限:展示会の日程や、サイトリニューアルに合わせるなど
- 参考動画:「こういうトーンで作りたい」という方向感を示せるURL
- 出演者の有無:社員が出るのか、プロを起用するのか
- 予算の上限:「〇〇万円以内で検討したい」と伝えると、制作会社も現実的な提案をしやすい
これらを整理した状態で複数社に問い合わせると、見積もりの比較がしやすくなり、社内への説明もスムーズになります。
映像とWebを一緒に考えると見えてくること
映像制作とWeb制作の両方に関わっていると気づくのが、「動画を作ったはいいが、掲載するWebサイトが古くて動画の効果が出ない」という状況です。
せっかく企業PVを作っても、コーポレートサイトのトップが重くて動画が再生されなかったり、スマホでレイアウトが崩れていたりすると、その動画への投資が半減します。
逆に、Webサイトのリニューアルと動画制作を同時に進めると、「動画をどの位置に、どのサイズで埋め込むか」をサイト設計の段階から考えられます。後から動画を追加しようとすると、レイアウトの修正が必要になることが多く、追加費用が発生しがちです。
映像制作の費用を考えるタイミングで、掲載先のサイト状態も一緒に確認しておくことをお勧めします。PIXEL OUTの映像・Web制作サービスでは、両方を同時に進める場合の進め方についても相談を受け付けています。
まとめ:次に取るべき一歩
映像制作の費用は、動画の種類・撮影規模・修正回数・二次利用の範囲によって大きく変わります。「相場を知る」ことと「自社に必要な仕様を決める」ことはセットです。
まず、目的・使用媒体・完成期限・参考動画をメモ程度でいいので整理してください。それを持って複数の制作会社に問い合わせると、見積もりの比較が現実的にできます。PIXEL OUTの料金プランでは価格帯ごとに含まれる内容を公開しているので、稟議前の参考にしてください。
よくある質問
Q. 予算を先に伝えてもいいですか?
むしろ先に伝えることをお勧めします。予算の上限を共有すると、制作会社はその範囲で最大限の提案をしやすくなります。「いくらかかるか教えてから考える」という進め方だと、提案が過大になりがちで、結果的に交渉に時間がかかります。
Q. 相見積もりは何社に取るのがいいですか?
2〜3社が現実的な目安です。1社だけだと比較軸がなく、5社以上になると対応コストが担当者にかかりすぎます。価格帯が異なる会社を混ぜると、費用の差がどこから来るのかが分かりやすくなります。
Q. 見積もりをもらってから発注まで、どのくらい期間がありますか?
制作会社側のスケジュールは数週間先まで埋まっていることが多いため、完成希望日の2〜3カ月前には問い合わせを始めるのが安全です。特に展示会や採用シーズン前は混み合いやすいため、早めの動き出しをお勧めします。