Webサイトの問い合わせを増やす方法|アクセス数より先に見るべき構造の話
「アクセスは増えたのに、問い合わせが全然来ない」という相談を、サイトリニューアルの打ち合わせでよく聞きます。
結論から言うと、問い合わせ数はアクセス数よりも「サイトの構造」に依存します。月1万PVのサイトより、月2,000PVでも設計が整ったサイトのほうが問い合わせは多い。これは制作現場で何度も見てきた事実です。
この記事では、アクセスを集める施策の前に見直すべきサイト構造の考え方と、問い合わせが来るサイトと来ないサイトの実際の違いを、制作側の視点で解説します。
「アクセスを増やせば解決する」が誤りである理由
アクセス数と問い合わせ数は、比例しません。正確には、サイトに構造的な問題がある場合、アクセスを増やしても問い合わせはほとんど増えません。
たとえば、問い合わせフォームへの導線がトップページにしかない場合、ブログ記事や下層ページから流入したユーザーはそのまま離脱します。SEO対策でアクセスが増えても、問い合わせに繋がる導線を踏んでいないからです。
逆に言えば、サイトの構造を整えると、今のアクセス数のままで問い合わせが増えることがあります。広告費や外注費をかける前に、まずここを見るべきです。
問い合わせが来ないサイトに共通する構造的な問題
制作の現場で多くのサイトを見ていると、問い合わせが少ないサイトにはいくつかの共通点があります。
1. 「何をお願いできる会社か」が3秒で伝わらない
訪問者がトップページを開いて最初に確認するのは、「自分の課題を解決してくれる会社かどうか」です。キャッチコピーが抽象的だったり、提供サービスの説明が会社都合の言葉で書かれていたりすると、ユーザーは判断する前に離脱します。
「総合的なソリューションを提供します」のような文章は、ほぼどの会社にも当てはまるため、読んでいる側には何も刺さりません。
2. 問い合わせへの心理的ハードルが高い
フォームが「資料請求」と「お問い合わせ」の2種類しかなく、しかも項目数が多い場合、検討初期のユーザーは離脱します。「まだそこまで決めていない」という段階の人が問い合わせしやすい受け口を用意できているかどうかが、件数に大きく影響します。
よくあるケースとして、「まずは費用感だけ知りたい」というニーズに対して、フォームに会社名・氏名・住所・電話番号・詳細な要件記入欄を要求するサイトは、離脱率が高くなりがちです。
3. ページを読んでも「次に何をすればいいか」が分からない
サービスの説明は充実しているのに、各ページの末尾に「お問い合わせはこちら」へのリンクがない、あるいは目立たない位置にある。こうした状態では、興味を持ったユーザーが行動に移れないまま離脱します。
訪問者に「次の一手」を明示するCTA(行動喚起)を、各ページの適切な位置に置くことが基本です。
4. 信頼情報が足りない
問い合わせは「この会社に依頼して大丈夫か」という判断の先にあります。実績・事例・制作プロセスの説明・担当者の顔といった情報が薄いサイトでは、検討段階のユーザーが安心して問い合わせボタンを押せません。
問い合わせを増やすために先に確認すべきチェックリスト
改善に着手する前に、以下の項目を自社サイトで確認してください。
- トップページのファーストビューで、自社が「何をする会社か」「誰のためのサービスか」が伝わるか
- サービスページの末尾に、次のアクションへ誘導するリンクやボタンがあるか
- 問い合わせフォームの入力項目は、検討初期のユーザーでも答えられる内容に絞られているか
- 「無料相談」「費用の目安だけ確認する」など、ハードルの低い問い合わせ窓口があるか
- 実績・事例・制作の流れが、訪問者が判断できる粒度で掲載されているか
- スマートフォンで表示したとき、フォームや電話リンクが押しやすい位置にあるか
- ブログ記事や下層ページからでも、問い合わせへの導線に辿り着けるか
これらのうち複数に「No」が付く場合、アクセス数を増やす前にサイト構造の改善を優先するほうが費用対効果は高くなります。
映像とWebを両方見ているからこそ気づく問題
弊社では映像制作とWeb制作を一社で手がけているため、両方の視点でサイトを見ることがあります。その中で気づくのは、「サイトの文章だけでは伝わりきらない情報を、動画が補完することでCVRが上がるケース」が一定数存在することです。
たとえば、施工・製造・サービスの実態が言葉では伝わりにくい業種(建設・製造業・飲食など)では、トップページや問い合わせページの直前に実績動画を置くことで、問い合わせへの心理的ハードルが下がりやすくなります。
一方で、すべてのサイトに動画が必要なわけではありません。まず「テキストと構造で解決できていない問題が何か」を特定し、そこに動画が有効かどうかを判断する順番が正しい考え方です。動画を入れれば問い合わせが増えるという話ではなく、構造が整ったうえで動画が補完的に機能するというのが実態に近いと感じています。
映像とWebをどう組み合わせるかについては、PIXEL OUTの映像・Web制作サービスのページでも考え方を紹介しています。
改善に着手する前に準備しておくべきもの
サイトの問い合わせ改善をデザイン会社や制作会社に依頼する場合、以下を事前に整理しておくと、提案の精度が上がり、手戻りが減ります。
- 現在のアクセスデータ:Googleアナリティクスなどで、どのページの離脱率が高いか、どのページが最も見られているかを把握しておく
- 問い合わせ件数の推移:月何件来ているか、どのページから来ているかが分かると、改善の優先順位が立てやすい
- ターゲット像の言語化:「どんな課題を持った人に問い合わせてほしいか」を言葉にしておく。これがないと、訴求メッセージが定まらない
- 競合サイトの把握:問い合わせが来ている競合サイトがあれば、URL共有できると参考になる
- 予算の大まかな感覚:全体リニューアルか、ページ単位の改修かによって提案の方向が変わる
なお、ページ単位の改修(CTAの追加・フォームの見直し・コンテンツ追加)であれば、一般的な目安として数万〜数十万円の範囲で対応できるケースが多いですが、サイトの規模や改修範囲によって大きく変わります。詳しい費用感は料金ページでも目安を確認できます。
まとめ:まずサイトの「受け口」を見直す
問い合わせを増やしたいなら、最初に手をつけるべきはSEOや広告ではなく、今来ているユーザーを取りこぼしていないかの確認です。
具体的には、ファーストビューのメッセージ・各ページのCTA・フォームの入力ハードル・信頼情報の充実、この4点を見直すだけでも、現状のアクセス数のまま問い合わせ数が変わることがあります。
まずは上記のチェックリストを自社サイトに当てはめてみてください。「No」が複数あった場合は、その箇所が優先改善ポイントです。どこから手をつければいいか判断が難しければ、制作会社に現状のサイト診断を依頼するのも一つの手です。PIXEL OUTでも初回の相談は無料で受け付けています。
よくある質問
アクセス数が少ないままで問い合わせは増やせますか?
増やせます。問い合わせ数はアクセス数×コンバージョン率で決まります。月1,000PVのサイトでもコンバージョン率が2%なら月20件の問い合わせが見込めます。まずサイトの構造を整えてコンバージョン率を上げることが、費用対効果の高い順番です。アクセスを増やす施策(SEO・広告)はその後の話です。
フォームの入力項目は少ないほどいいですか?
一概には言えませんが、検討初期のユーザーには少ないほど有効なケースが多いです。「まず気軽に聞いてほしい」窓口と「具体的な要件を相談したい」窓口を分けて用意することで、問い合わせのハードルを段階的に設計できます。業種や提供サービスによって最適な設計は変わるため、一律に削ればいいわけではありません。
サイトに動画を追加すると問い合わせは増えますか?
サイトの構造的な問題が解消されている前提であれば、有効なケースがあります。特に「テキストや画像だけでは実態が伝わりにくいサービス」の場合、動画が信頼情報の補完として機能することで問い合わせへの心理的ハードルが下がりやすくなります。ただし動画を追加すれば問い合わせが増えるわけではなく、サイト全体の設計とセットで考える必要があります。